バイクとレザー
ねっとりしつこくつきまとった暑さも今は昔、
ようやく秋の涼やかな気候が訪れ、
とても過ごしやすくなってまいりました。
しかし地を歩く者にとっては最適なこの気候も、
鉄馬にまたがってブイブイ走り回る者にとっては、
厳しい冬の寒さを思い知らせます。
バイク乗りにとって、季節は常に寒い方にひとつズレています。
きっちり防寒していないと既にツライです。
夏場では少々、いやかなり着用に根性の要るレザー製品が、
ようやくマッチしてくる頃ですね。
そんなわけで今回はレザーの話でも。
バイクとレザーのマッチングの良さは、洋の東西を問わず、割と共有されたイメージのようです。
車と比べた場合のバイクのイメージ、
自由や冒険みたいなものと、漆黒のレザーのシンプルな無骨さ、
音楽でいえばパンクやロックのようなイメージが渾然一体となって、
スパルタンな風合いを醸して出しているのでしょう。
要はバンカラです。硬派なんです。
綺麗とか可愛らしいとかではなく、クールでカッコイイ。
そうしたイメージがあるのでしょうね、レザーには。
確かに金属の銀色と革の黒色のコラボレートは、光と闇があわさって最強に見えます。
まあ実際はどっちも寒色なので、闇と闇が合わさってます。
最強ってか最悪な感じです。
ん、むしろイケてるかも。
やたらイメージだの何だのと、それはもう残暑のごとくしつこく語っておりますが、これにはそれなりの訳があるのです。
バイクにとってのレザーとは、高い実用性もさることながら、
むしろそれ以上にイメージの投影としての部分も大きいということを、
押さえておいていただきたい、ということなのです。
他に様々な優れた材質があるなかで、
それでもあえてレザーを選ぶのは、
クールでワルで硬派でロックでカッコイイ、
といったイメージを追及した結果、
たどり着いた唯一解でもあるのです。
いや単に好きってだけかもしれませんが(身も蓋もない)
さて東京都台東区浅草に、そうした漢(おとこ)臭い連中のアツい思いに応えてくれる、
とある職人たちの営む店がございます。
次回はこの店についてみてみることにしましょう。
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