バイクとグローブVI
普段から当たり前のように使っているカタカナのコトバですが、実は結構由来が怪しかったり、正確な意味を把握していなかったりといったものは多いですね。
我らが「バイク」というコトバも、本来の意味から離れて一人歩きした末に確変して膾炙(かいしゃ)したようです。
そういえばバイクによく似たコトバに「オートバイ」がありますが、
こやつも戦国大名並みに経歴が怪しい、
というか日本人が作った単語、いわゆる和製英語だったりします。
少しチェックしておきましょうか。
まず、海外から日本に初めてバイクがやってきたのは1902年、元号では明治35年のことですが、
その当時の呼び名は英語の呼称をカタカナにしただけの「モーターサイクル」というものでした。
呼んで字のごとく名が体を表しているわけですが、ちぃとばかし長いです。
頻繁に会話に登場させるには不適な感があります。
こういった単語は、たいてい短縮系が産まれてきます。
日本人は短縮系を作るとき、4シラブル(音節)にすることが多いですね。
英語だと3シラブルだったり、ドイツ語は2だったりしますが、
まあそれは別の話過ぎるので自重シマス。
代表的なところでは、ドラゴンクエストがドラクエとなったり、
ケイタイデンワがケイタイになったり。
この法則に沿うならば、モーターサイクルの短縮系はどうなるでしょうか。
例えばモタクル?
・・・何やらめっさ遅そう、というか転びそう。
モタモタすんなと。
じゃあモークル?
ふむ、すぐやってきそう、ピザとか運んで儲かりそう。
でも何か違う。
いや、これはモーグルですね。はい。
よし、ちょっとヒネってターサイはどうだ。
うん、ダメダメね。
勘弁してくターサイ。
以上のようなケンケンゴウゴウカンカンガクガクの議論があったのかどうか。
いや確実にあったでしょう。
全力で売り上げに影響しますしね。
ともあれバイク初輸入から20年を経た1923年、元号で大正12年に、バイク専門の月刊誌が創刊されることになりました。
その雑誌のタイトルが「オートバイ」だったのです。
英語とドイツ語をブレンドして、ヒネりにヒネって練り上げた感じですが、なるほど響きがカッコイイ。
イカすコピーですな。
この雑誌が創刊されて以降、オートバイという呼称が全国的に認知され、広まっていったということだそうな。
めでたしめでたし。
え?
で、グローブの話はって?
忘れてました。勘弁してくターサイ。
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